正義の味方

悪いことを指摘する、それも大声で。
これが息子の抱えている大きな問題の一つです。

先日も、家の近くの広場に遊びに行こう、と言う話になり、息子はそこでボール遊び
がしたい、と言いました。
ところが、その広場はボール遊びが禁止されています。
理由は恐らく二つあって、一つは、小さな子供もいるので、高校生が高級でキャッチ
ボールなんてされると危ない、ということです。
そしてもう一つは、その広場は道路に面していて、その道路はたまに車も来れば、自
転車は結構頻繁に往来していて、ボールを取りに飛び出すと危ない、ということで
す。

わたしはあまり深く考えずに、理由を説明することもなく、その場所はボール遊びが
禁止されているからシャボン玉やかくれんぼで遊ぼう、と話し、息子もそれに了解し
ました。
ここまでは良かったんですが、遊び始めて数分後、同じ幼稚園に通う女の子が、お姉
ちゃんとお父さんと一緒にやってきました。
で、ボールを持ってきていて、少し大きめのゴムボールをワンバウンドで投げ合い始
めたのです。
それを見た息子が、ボールきんしー!!と叫んだ、とそういう次第です。

先方のお父さんはむすこの叫びを無視してくれましたが、まあどんな反応をされても
困ってしまうわけです。
その親子は前述の通り、手でボールを投げていて、それも道路から一番離れた場所で
遊んでいて、まあ問題ないと判断したことはよく分かります。

禁止されている事柄の理由を考え、問題がないと判断することは高度な判断です。
まして、他人に注意する、行動を変えてもらう、と言うことは大人にだって難しい
ミッションです。
子供である息子が大声で叫んでしまうのは、しょうがない、とは思います。

ただ、このことを何度も自問していて思うのは、私はむすこに、正しい人間になって
ほしい、という希望が少なく、上手く生きていってほしい、という希望が強い、と言
うことです。
多少の悪事には目をつむろうぜ、それよりも周りの人に気に入られながら、上手に世
渡りしてくれよ、という感じでしょうか。

他方で、これって、息子が悪事を働かない、ということが大前提だとも思います。
多くの親が我が子に正しい人になってほしい、と願うのは、悪いことに加担しないで
ほしい、という願いが強く反映されていると思うのです。

息子が悪いことをしない、という自信は私には全くありません。

相変わらず子育ては迷うことばかりだな、と思う一コマでした。